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Perl 研修

Agenda

はじめに
Perl について
package / モジュール
Perl の代表的モジュール
Perl の環境系のしくみ

はじめに

プログラミングの基礎知識がある前提で話します
時間もそれほど無いので，細かい説明はできませんが，質問があればいつでもどうぞ

実習の進め方

Perl の講習に課題で手を動かしながら進めます
課題は PerlTraining のレポジトリにあるのでそれをやっていきます
practice ディレクトリ以下に課題を用意してあります

Perl について

最新版は perl 5.20.2
最近は毎年マイナバージョンをリリースしてる
(今年は5.22がでます)
Perl6 は Perl5 の姉妹言語(別の言語)

package

package とは

Perl における名前空間です
サブルーチンや変数のグループを作るのに使います
サブルーチンや変数などは必ずどこかの名前空間に紐付きます

package の宣言

下記のように宣言します
package の区切りは::(ダブルコロン)です
```
package Some::Module;
```

モジュール

モジュールとは

package の中身を定義しているファイル
package 名に対応したパス・ファイル名で保存します

ファイル最後の評価値は真であることが必要です

package Some::Module; # ➡ Some/Module.pm
use strict;
use warnings;
1;

モジュールの呼び出し

use を使います
名前からパス・ファイル名を判別して，ファイルが読み込まれます
```
use Some::Module;
```

課題1

moduleの作成

その前に

課題レポジトリ clone

https://github.com/mixi-inc/PerlTraining
git clone してください

課題のディレクトリ構造

lib ➡ モジュール
t ➡ テスト

課題の動作確認

テストが書かれているので，すべて通れば正答です

prove コマンドを使ってテストを実行します

$ cd practice/01_module
$ prove -lv t/01_basic.t # テストファイル単体
$ prove -lv t/           # ディレクトリ以下まとめてテスト実行

課題1 やってみましょう

practice/01_module です
質問はいつでもどうぞ

モジュールの定義

サブルーチンの定義

通常の関数と同じく sub で定義します

package Some::Module;
sub hello{ 'Hello, perl world' }
1;

サブルーチンの呼び出し

Package名::サブルーチン名で呼び出します
クラスメソッドです
```
Some::Module::hello();
```

課題2

practice/02_class_method
質問はいつでもどうぞ

課題2 テスト内容参考

今度の課題はテストの内容見ないと回答できないです
is($got, $expected, $test_name) ➡ 一致していれば ok

Perl でオブジェクト指向

Perl でもオブジェクト指向できます

Perlのオブジェクト指向

メソッドの定義

メソッドも関数と同じように定義する
ただし第1引数にオブジェクトを受け取る

$self で受け取るのが慣習

sub hello_oo {
    my $self = shift;
    return 'Perl oo world';
}

メソッドの呼び出し

オブジェクトに対してアロー演算子(->)を使って呼び出す

use Some::Module;
my $module = Some::Module->new;
$module->hello_oo; # 'Perl oo world'

オブジェクトは勝手に生成されるの?

ですよね

オブジェクトの生成

bless でリファレンスにpackage名を結びつけてオブジェクトにします
自分でコンストラクタを作ります

コンストラクタの定義

コンストラクタの名前は決まってません

Perlの慣習では new を使う

package Some::Module;
use strict;
use warnings;
sub new {
    my $class = shift;
    bless +{}, $class;
}
1;

コンストラクタの定義

$class にはmoduleの名前が入っている
bless でリファレンスをpackage名と結びつけることでオブジェクトになる
ここでは空のハッシュリファレンスをオブジェクト化して返しています
```
sub new {
    my $class = shift;
    bless +{}, $class;
}
```

コンストラクタの呼び出し

アロー演算子(->)を使って呼び出す

メソッドと同じです

use Some::Module;
my $module = Some::Module->new;

アロー演算子って何なの?

ハッシュリファレンスなどの要素へのアクセス
メソッド呼び出し時のシュガーシンタックス

だから第1引数にクラス名やオブジェクトを受け取る

$hash_ref->{name};
$array_ref->[0];
$sub_ref->($params);
my $module = new 'Some::Module';# Some::Module->new
hello_oo $module; # $module->hello_oo

課題3

practice/03_object です
質問はいつでもどうぞ

課題3 テスト内容参考

prove -lv t
今度の課題はテストの内容見て回答してください
isa_ok($object, $class) ➡ そのクラスのインスタンスならば ok

Perl の代表的モジュール

しばらく講義
さらっと流します

CPAN

ほしいものは大抵CPANにあります
他の言語で組み込みで用意されているものも，
モジュールとして存在することが多い
https://metacpan.org/ で探せます

List::Util, List::MoreUtils

List 系のユーティリティ
組み込み関数としては，map や grep などしかない
ほしいものはこのあたりにあるかも

Encode

文字コードを扱うモジュール

Data::Util

データとデータ型のためのユーティリティ集
チェック関数や検証関数など

Class::Accessor

アクセサ
- 言語組み込みでは存在しません
Class::Accessor::Fast, Class::Accessor::Lite など他にもいろいろ

Moose/Mouse/Moo

Perl のモダンなオブジェクト機構
- オブジェクトの機構ですら Yet Another なものが存在
Perl に型システムも提供します
Moose の軽量版が，Mouse や Moo です

DBI

DB のインタフェイス
Perl でDBを扱うときは，大抵このモジュールか，このモジュールを利用したモジュールで扱う

Cache::Memcached::Fast

Memcached のインタフェイス

Perl の環境系のしくみ

他の言語にあるものは，わりとそろってます
- CPAN/cpanm ➡ gem, pip
- PSGI/Plack ➡ Rack, WSGI
- Carton ➡ bundler, pip freeze
- plenv, perlbrew ➡ rbenv, RVM, virtualenv, pythonz
- Minilla ➡ bundle gem

CPAN/cpanm

モジュールの管理
CPAN: モジュールやソフトウェアを集めたアーカイブサイト
cpanm: CPANからモジュールなどをインストールするためのコマンドラインツール
- github からもインストール可能

PSGI/Plack

PSGI: WebフレームワークとWebサーバをつなぐ共通インタフェース
Plack: PSGIユーティリティとリファレンス実装としてのPSGIサーバなど

Carton

アプリケーションにおけるPerlモジュールの依存関係を管理するコマンドラインツール
Carton - Perl module dependency manager (aka Bundler for Perl)

plenv, perlbrew

Perl5 のインストール管理ツール
バージョンと環境を切り替えて使える

Minilla

CPAN モジュールのオーサリングツール
他には Module::Starter, Dist::Zilla, Dist::Milla などもあります

PSGIアプリ

説明した環境系の仕組みを使ってWebアプリ作成してみます

cpanm のインストール

モジュールの管理ツール
```
$ plenv install-cpanm
```

carton のインストール

アプリケーションの依存モジュール管理ツール
```
$ cpanm Carton
```

minilla のインストール

モジュールオーサリングツール
```
$ cpanm Minilla
$ plenv rehash
```

モジュールのひな形作成

    $ cd practice
    $ minil new MyPSGIApp
    $ cd MyPSGIApp

中身見てみましょう
CPAN形式と呼ばれるモジュールのファイル構成です

cpanfile の記述

すでに存在している cpanfile に追記します
psgi アプリを作るのに必要なモジュールを記述
```
requires 'Plack';
```

carton の実行

    $ carton install

app.psgi ファイルの作成

app.psgi はPlackサーバの標準のpsgiファイル
もっとも単純なアプリを作ってみます

app.psgi ファイルの作成

    use strict;
    use warnings;

    sub {
        [
            '200',
            [ 'Content-Type' => 'text/plain' ],
            ['Hello, Plack/PSGI world!']
        ]
    };

plackサーバの起動

-r はコードに変更があったときに自動で再起動する機能です
-p はport指定です（デフォルトは5000）
port5000を使えれば指定の必要は無いです
```
$ carton exec plackup -r -p 5000
```

起動したらアクセスしてみて下さい

    $ open http://localhost:5000/

もっとも単純なPSGIアプリが動きました!

PSGI について簡単な解説

PSGI = サーバとアプリのやり取りの取り決め
アプリはレスポンスとして http response, header, body をarrayリファレンスで返す
plackup は，レスポンスを返すサブルーチンを受け取って動作する

plack middleware

アプリを包んで，リクエストやレスポンスに変更を加えたりする

onion

plack middleware を使ってみる

cpanfile に追記

    requires 'Plack::Builder';
    requires 'Plack::Middleware::Debug';

追記したら carton install してください

app.psgi を編集

    use strict;
    use warnings;

    use Plack::Builder;

    builder {
        enable 'Debug';
        sub {
            [
                '200',
                [ 'Content-Type' => 'text/html' ],
                ['<html><body>Hello, Plack/PSGI world!</body></html>']
            ]
        }
    };

開いてみる

保存したら再起動するはずなのでブラウザリロードしてみて下さい
右側にデバッグコンソールが表示されたはずです

実際にアプリを開発する

そのときはWAFを使うことが多いです
Mojolicious とか Amon2 とか

以上講義は終わりです

質問とかあれば

extra 演習

時間があれば
テストが通るように修正して下さい
- practice/p5-Math-ConsumptionTax-JP
- practice/p5-List-Group
- practice/p5-String-Inflector

Perl実習終わり

いつでも質問受け付けます
興味があればPerl勉強会などもやりますよ
- Perl使う部署に配属してしまったのでしょうがなくとかでももちろんok